法改正ウォッチ
要対応 施行済み 2026年4月1日施行

オンライン診療「届出猶予2027年3月末」——9医療圏の開業は6か月前に申請を

医療機関診療所開設予定者オンライン診療受診施設の設置者

公開日: 2026年4月7日

最重要ポイント

何が変わったか

オンライン診療が医療法第2条の2に法的定義され、実施する医療機関は都道府県への届出が義務化(2026年4月1日施行)。既実施機関には2027年3月末までの経過措置あり。外来医師過多9医療圏での新規診療所開設には開業6か月前の事前届出制度が新設。

誰が影響を受けるか

医療機関、診療所開設予定者、オンライン診療受診施設の設置者

何をすべきか

要対応: オンライン診療の都道府県届出

医療機関(病院・診療所)、診療所の新規開設を検討している医師・医療法人、オンライン診療受診施設の設置を検討している企業が対象となる改正です。医療関連以外の一般中小企業・個人事業主・税理士事務所・社労士事務所には直接の対応義務は生じません。

2026年4月1日施行の医療法改正により、オンライン診療が法的に定義され、実施する医療機関への都道府県届出が義務化されました。また、外来医師が過多な9医療圏では新規診療所開設に開業6か月前の事前届出が必要となっています。

改正の内容と対応の難しさ

オンライン診療の法制化と届出義務化

改正前はガイドラインベースの任意的な運用でしたが、医療法第2条の2に「映像及び音声の送受信により、医師と患者が相互に認識しながら通話することが可能な方法による診察」として初めて法的に定義されました。

オンライン診療を実施する病院・診療所は都道府県への届出が義務となりました(2026年4月1日施行)。従来のガイドラインに代わり、法的拘束力を持つ「オンライン診療の適切な実施に関する基準」が適用され、不適切な運用に対しては都道府県による立入検査・是正命令が可能になります。届出の様式は厚生労働省通知(医政発0327第5号)として提供されており、届出さえ済ませれば指導の対象にはなりません。

経過措置: 2026年4月1日時点で既にオンライン診療を実施していた医療機関は、2027年3月末までに届出をすれば足ります。これから新たに開始する場合は経過措置の適用がなく、開始前の届出が必要です。

オンライン診療受診施設の新設

「オンライン診療受診施設」という新たな施設類型が創設されました。公民館・郵便局・駅ナカブース等、診療所以外の場所でオンライン診療を受けられる制度上の根拠が生まれます。設置者に医療従事者要件はなく営利企業も設置可能ですが、設置には都道府県への届出が必要です。医療行為の責任はオンライン診療を実施する医療機関の医師が負い、施設設置者に医療責任は及びません。

外来医師過多区域での診療所開設届出制度

東京都内5医療圏(区中央部・区西部・区西南部・区南部・区西北部)・大阪市・京都乙訓・神戸・福岡糸島の9医療圏で、無床診療所を新規開設する場合、開業日の6か月前までの事前届出が義務化されました。届出では夜間・休日対応や在宅医療等、地域に不足する医療機能への対応方針を具体的に示す必要があります。既存診療所の移転・増床は対象外です。

都道府県からの要請に誠実に対応していれば、保険医療機関の指定期間に影響はありません。要請を繰り返し無視した場合に、指定期間が通常6年から最短3年以内(再違反で2年以内)に短縮されます。

対応の難しさ(立場別)

立場複雑さの目安主な対応内容
オンライン診療実施中の医療機関(既実施)届出のみで完了(2027年3月末まで猶予)都道府県窓口で様式入手・提出
新規にオンライン診療を開始する医療機関開始前の届出が必要都道府県への事前届出
外来医師過多区域での開業予定者専門家への相談を推奨事前届出+地域機能対応方針の作成
オンライン診療受診施設の設置者専門家への相談を推奨都道府県との事前相談・届出
医療関連以外の一般中小企業対応不要

あなたの立場別・対応ガイド

オンライン診療を実施中の医療機関(病院・診療所)

経過措置の対象(2026年4月1日時点で既に実施中):

  1. 2027年3月末の猶予期限を院内カレンダーに登録する
  2. 診療所所在地の都道府県医療政策担当窓口またはウェブサイトにアクセスし、オンライン診療届出の様式を入手する(厚生労働省通知 医政発0327第5号 に基づく様式)
  3. 届出書類を作成し、都道府県知事宛に提出する
  4. 届出の受理通知を保管する

新規でオンライン診療を開始する場合(経過措置なし):

  1. 「オンライン診療の適切な実施に関する基準」(厚生労働省)を確認し、自院の運用が要件を満たすことを確認する
  2. 開始予定地の都道府県担当窓口から届出様式を入手し、診療開始前に提出する
  • 届出先: 診療所・病院所在地の都道府県知事(窓口:都道府県医療政策担当課)
  • 電子申請: 地方厚生局の保険医療機関等電子申請・届出等システムで対応可能
  • 参照: 厚生労働省オンライン診療専用ページ

外来医師過多区域(9医療圏)での診療所開設予定者

  1. 開業予定地が外来医師過多区域(東京5ブロック・大阪市・京都乙訓・神戸・福岡糸島のいずれか)に該当するか、都道府県医療政策担当課に確認する
  2. 該当する場合、開業予定日から逆算して7か月前(余裕を1か月確保した目安)に届出準備を開始する
  3. 届出書類を作成する: 診療科目等の基本情報 + 夜間・休日対応、在宅医療、公衆衛生への対応方針(具体的に記載)
  4. 開業日の6か月前までに都道府県知事宛に届出を提出する
  5. 都道府県から要請・協議への参加を求められた場合は誠実に対応する(無視が続くと保険医療機関指定期間が最短3年に短縮されるリスク)
  • 専門家連携: 開業支援コンサルタントや医療専門の行政書士との連携を推奨

オンライン診療受診施設の設置を検討している企業

設置手続きの詳細は都道府県ごとに異なります。以下を専門家と確認してください:

  • 設置予定地の都道府県担当部署への事前相談(届出要件・必要書類の確認)
  • 提携する医療機関との契約・医療責任の所在の明確化
  • 設置施設の安全・プライバシー要件の確認

相談先: 医療法専門の弁護士、または医療機関との連携実績がある医療コンサルタント

医療関連以外の一般中小企業・個人事業主

今回の改正による直接的な対応は不要です。ただし、従業員向け福利厚生としてオンライン診療受診施設の設置を検討している場合は、上記の施設設置者ガイドを参照してください。

今日からできる最初の一歩

オンライン診療実施中のクリニック・病院の方: 今週のいずれかの日の業務終了後に ── 診療所所在の都道府県医療政策担当課のウェブサイトにアクセスし、「オンライン診療届出」の様式名と窓口の担当課名を確認する。2027年3月末の猶予があるとはいえ、今確認しておけば年度末の混雑を避けて余裕を持って対応できます。

外来医師過多区域での開業を検討している方: この記事を読み終えたら今日中に ── スマートフォンのカレンダーを開き、開業予定日の「7か月前」の日付に「都道府県医療課へ相談予約を入れる」とリマインダーを設定する。6か月前の届出期限より1か月の余裕を確保でき、書類作成の時間を十分に取れます。

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