法改正ウォッチ
罰則あり 施行済み 2026年4月1日施行

「4号特例」縮小の1年猶予が終了——木造300㎡超の構造図書、対応できていますか?

建設業者・工務店建築設計事務所不動産業者認定こども園運営者

公開日: 2026年4月9日

最重要ポイント

何が変わったか

延床300〜500㎡の木造建築物(新2号)に構造関係図書の確認申請添付が義務化。1年間の経過措置は令和8年3月31日で終了し、4月1日から完全適用となった。

誰が影響を受けるか

建設業者・工務店、建築設計事務所、不動産業者、認定こども園運営者

何をすべきか

要対応: 構造関係図書の作成と確認申請への添付が必要

今回の建築基準法改正(令和8年4月1日施行)で直接影響を受けるのは、建設業者・工務店、建築設計事務所、不動産業者、認定こども園の運営者です。製造業・小売業・IT業など、建設・不動産業務を持たない一般的な中小企業への追加対応は不要です。

令和8年4月1日は2つの節目が重なっています。①建築基準法の附則から保育教諭関連の参照条文を削除する技術的整備(実質的影響は軽微)と、②令和7年4月施行の構造基準改正(4号特例縮小)に設けられた1年間の経過措置が令和8年3月31日で終了し、新構造基準が完全適用となった点です。建設・設計・不動産業に携わる事業者は後者への対応状況を確認してください。

改正の内容と対応の難しさ

今回の建築基準法改正には性質の異なる2つの変更が含まれています。

変更①:附則の保育教諭関連条文の整理(実質的影響は軽微)

幼保連携型認定こども園の職員(保育教諭)の資格要件について、建築基準法の附則に残存していた参照条文を削除・整理するものです。建築基準(耐火性能・避難設備等)の内容そのものは変わりません。認定こども園の運営者は顧問の建築士・行政書士に一度確認する程度で対応可能です。

変更②:構造基準改正の経過措置終了(こちらが主な実務影響)

令和7年4月1日に全面施行された「4号特例の縮小」と「木造建築物の構造基準見直し」について、1年間の経過措置が令和8年3月31日をもって終了し、すべての対象案件に新構造基準が適用されます。

区分改正前改正後(令和8年4月〜)
構造図書を省略できる木造建築2階建て以下・延床500㎡以下2階建て以下・延床300㎡以下(新3号)
延床300〜500㎡の木造(新2号)構造図書省略可(旧4号特例)構造関係図書の確認申請添付が必須
壁量計算・柱の小径算定方法旧基準で対応可新算定方法が完全適用

立場別の難しさ

立場難しさ必要なこと
建設業者・工務店高い新2号案件の特定、構造関係図書の作成、確認申請への添付、工程調整
建築設計事務所高い構造図書の追加作成、設計報酬の改定、発注者への変更説明
不動産業者中程度既存不適格物件の重要事項説明更新(専門家への相談が必要)
認定こども園運営者低い顧問の建築士・行政書士への確認で完了
一般中小企業(上記以外)なし追加対応不要

確認申請の審査期間は1〜2週間延びる可能性があるため、建設業者・設計事務所は工程に余裕を事前に確保してください。なお、壁量計算ツールは日本住宅・木材技術センターが無料提供しており、適切な準備で対応できる範囲です。

あなたの立場別・対応ガイド

建設業者・工務店

令和8年4月以降に着工する案件で延床300〜500㎡の木造建築物(新2号)が含まれる場合、確認申請に構造関係図書の添付が必要です。次の手順で対応してください。

  1. 受注・着工予定の案件リストを作成し、延床300〜500㎡の木造案件(新2号建築物)を抽出する
  2. 各案件について壁量計算書・柱の小径計算書・伏図等の構造関係図書を作成する
  3. 日本住宅・木材技術センターの無料壁量計算ツール(https://www.howtec.or.jp)を活用して算定する
  4. 着工前に特定行政庁または指定確認検査機関に事前相談し、審査期間と必要書類を確認する
  5. 審査期間の延長(目安:従来比1〜2週間追加)を見越して各案件の工程を調整する

申請様式: 建築確認申請書(第2号様式)+構造関係図書(壁量計算書・柱の小径計算書・基礎伏図・床伏図・軸組図)
参考: 国土交通省「建築基準法の見直し」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kijunhou0001.html

建築設計事務所

受注案件が新2号に該当するかを判断し、確認申請図書に構造関係図書を追加します。設計報酬の改定と発注者への説明が必須です。

  1. 受注案件の延床面積・構造種別を確認し、延床300〜500㎡の木造案件(新2号)を特定する
  2. 構造関係図書(壁量計算書、柱の小径計算書等)を確認申請図書に追加する準備をする
  3. 設計報酬の見積書を作業量増加分に合わせて改定する(目安:設計費10〜30%増)
  4. 発注者に対して、費用と審査期間の変更を文書で説明する

必要書類: 壁量計算書、柱の小径計算書、伏図等の構造図
参考: 国土交通省「建築基準法の見直し」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kijunhou0001.html

不動産業者

取り扱い物件に延床300〜500㎡の木造建築物(新2号相当)が含まれる場合、宅地建物取引業法第35条の重要事項説明の内容を更新する必要があります。既存不適格物件かどうかの判断は建築士の専門的知見が必要です。

相談先: 一級建築士または建築士事務所
確認内容:「この物件は新2号建築物に該当するか?重要事項説明書に記載すべき事項は何か?」
参考: 国土交通省不動産業関連 https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/

認定こども園・保育施設

今回の附則改正(保育教諭関連条文の整理)による建築基準上の追加手続きはありません。ただし、認定こども園法の経過措置終了が施設の建築上の基準に影響するかを、顧問の建築士に確認しておくと安心です。

相談先: 顧問の建築士または行政書士
確認内容:「今回の附則改正で施設の建築基準対応に変更はあるか?」

一般中小企業(製造・小売・IT等)

今回の改正による直接的な対応は不要です。ただし、自社の建物(木造で延床300㎡超)を建て替え・大規模改修する予定がある場合は、依頼先の工務店や設計事務所に新基準の適用について確認してください。

今日からできる最初の一歩

建設業者・工務店の方へ:
次に受注案件の確認をするとき → 案件リストを開き、延床300〜500㎡の木造案件が1件でもあれば、その日のうちに担当設計士へ「新2号の構造図書は準備できているか?」と確認する。

建築設計事務所の方へ:
今週中に受注案件の延床面積リストを確認するとき → 延床300〜500㎡の木造案件が1件でもあれば、翌営業日に発注者への費用変更の説明文書を作成する。

不動産業者の方へ:
次に物件の重要事項説明書を作成するとき → 対象物件が木造で延床300㎡超であれば、その場で顧問建築士に「既存不適格の記載が必要か?」と連絡する。

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