法改正ウォッチ
要対応 施行済み 2026年4月1日施行

2028年「月450円」上乗せ——国保加入者は届出不要、通知書の確認を

全業種

公開日: 2026年4月9日

最重要ポイント

何が変わったか

国民健康保険法の財政条文に「子ども・子育て支援納付金」が追加され、国・自治体の費用負担計算に子育て支援拠出金が組み込まれた。同時施行の支援金制度により2026年4月分保険料から上乗せ徴収が始まる。2028年度フル稼働時の全制度平均は月450円。

誰が影響を受けるか

個人事業主・フリーランス(国保加入者)、従業員を雇用する全事業主

何をすべきか

要対応: 協会けんぽ加入の法人は給与計算システム設定変更が必要

国民健康保険に加入している個人事業主・フリーランス・農業者は、2026年4月分の保険料から「子ども・子育て支援金」が自動的に上乗せ徴収される。業種・規模を問わず国保加入者全員が対象で、届出や申請は一切不要だ。一方、会社の健康保険(協会けんぽ・健保組合)に加入している法人・企業は本改正の直接対象ではないが、給与計算システムの設定変更と従業員への周知が必要になる。フリーランスや個人事業主として国保に加入していない会社員・役員(被用者保険加入者)は、本記事の手順対応は不要だ。

改正の内容と対応の難しさ

国民健康保険法の第69条・第70条・第73条・第75条など財政条文に「子ども・子育て支援納付金」が追加された。国・都道府県・市町村が費用を負担する計算対象に子育て支援拠出金が加わるという技術的な財政整備が本改正の内容だ。ただし個々の事業者にとってより直接的なのは、同時施行の「子ども・子育て支援金制度」による保険料増加である。

支援金は段階的に引き上げられ、2028年度にフル稼働する:

年度支援金率(目安)全制度平均(一人当たり月額)国保加入者の月額目安
2026年度約0.23〜0.3%月200円程度月数百円程度
2028年度(フル稼働)約0.4%月450円月400円程度

年収別の月額負担(国保加入者・2028年度フル稼働時の目安):

  • 年収200万円:月350円程度
  • 年収400万円:月650円程度
  • 年収600万円:月1,000円程度

なお、18歳年度末(高校3年生修了時)までの子どもに係る均等割は10割軽減(実質免除)の措置がある。

立場別の対応難易度は以下のとおり:

立場難易度求められる対応
国保加入の個人事業主・フリーランス★☆☆届出不要・通知書確認のみ
協会けんぽ加入の法人(給与担当者)★★☆給与計算システムの設定変更が必要
協会けんぽ加入企業の経営者★☆☆担当者への委任・コスト把握のみ
社労士事務所★★☆顧問先ごとのシステム確認と説明資料作成

あなたの立場別・対応ガイド

個人事業主・フリーランス(国保加入者)

今回の法改正に対して行う届出・申請は一切ありません。市町村が保険料を自動計算し、通知書に支援金分を反映します。ただし以下の確認を行っておくと安心です:

  1. 2026年6〜7月頃に届く国民健康保険料(税)の年間通知書を確認する(支援金分の増額が反映済みの額が記載されている)
  2. 年収に応じた月額負担を把握する(年収400万円の場合、2028年度フル稼働時に月650円程度が上乗せ)
  3. 18歳年度末以下の子どもがいる世帯は均等割が10割軽減されていることを確認する(軽減措置が通知書に反映されているか照合)

情報源:こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」https://www.cfa.go.jp/policies/kodomokosodateshienkinseido

一般中小企業(法人)— 協会けんぽ・健保組合加入

従業員を雇用している法人は、給与計算上の実務対応が必要です:

  1. 給与計算ソフト・システムのベンダーから2026年4月対応の更新案内を受け取り、アップデートを適用する(多くのベンダーは自動対応済みだが、設定変更の有無を必ず確認すること)
  2. 翌月徴収の場合は2026年5月支給給与から、当月徴収の場合は4月支給から天引き開始となることを確認する
  3. 賞与についても同率(2026年度: 0.23%)で計算対象となることをシステム設定に反映する
  4. 従業員向けに「4月分保険料から子ども・子育て支援金が上乗せされる」旨を事前周知する(給与明細コメント・社内メール等。問い合わせ対応の負荷を事前に減らせる)
  5. 2028年度フル稼働時の追加コストを把握する(従業員50名規模で年間約23万円が事業主負担として増加)

支援金率2026年度: 0.23%(標準報酬月額ベース)。事業主・従業員が折半(各0.115%)。届出・申請手続きは不要。

社労士事務所

顧問先企業の給与計算対応確認と制度説明が主要業務です:

  1. 顧問先の給与計算ソフトが2026年4月改正に対応済みかベンダーに確認し、未対応の場合は早期アップデートを促す
  2. 翌月徴収・当月徴収の設定を顧問先ごとに確認し、初回控除月(4月または5月支給)を特定する
  3. 顧問先向け説明資料(負担額目安・控除開始月・賞与への影響)をまとめて一括提供する(質問が集中する前にプロアクティブな提供が効果的)
  4. 2028年度フル稼働時の事業主負担増を顧問先ごとに試算し、財務インパクトのある先には早めに報告する

税理士・会計士事務所

給与計算・社会保険手続きは社労士の領域です。税務・財務面での対応事項は限定的です:

  • 法定福利費の処理:事業主負担分は法定福利費として損金算入可能(税務上の取り扱いに変更なし)
  • 顧問先から問い合わせがあった場合:給与計算・社会保険の手続きは担当社労士または給与計算担当者への確認を推奨する
  • 財務計画への反映:2028年度フル稼働時の追加コスト(従業員50名で年間約23万円の事業主負担増)を決算予測に組み込んでおく

今日からできる最初の一歩

個人事業主・フリーランスの方(国保加入) 6〜7月に市町村から国民健康保険料(税)の通知書が届いたとき → 前年通知書と金額を比較して、支援金分として増額している項目を確認してください。

法人の給与担当者・経営者の方 次回の給与計算ソフトからアップデート案内が来たとき → 2026年4月対応の変更内容を開いて、翌月徴収か当月徴収かに応じた初回天引き月(4月または5月)を確認してください。

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